2016年夏、興行収入250億円を突破した「君の名は」
新海誠監督による美しい風景のアニメーション、感情移入しないではいられない主人公たち、そして一世を風靡したRADWINPSによる珠玉の主題歌。劇場に何度も足を運んだという方も多いのではないだろうか。
公開から2年が経ち、この夏もまた見たいという方も、実はまだ見たことがなくてずっと気になったまま、という方もいることだろう。
主人公は岐阜の田舎町に暮す女子高生・宮水三葉、
そして東京都心に暮す男子高校生・立花瀧。
それぞれの声優を、上白石萌音、神木隆之介が務めており、市原悦子、長澤まさみ、悠木碧といった豪華声優陣も公開当時話題となった。
あらすじ
岐阜と東京、出会うはずもなかった三葉と瀧は、奇妙な夢を見ることが続き、お互いの身体が入れ替わるようになっていることに気づく。
ときに周囲の人々に不審がられながらも、二人は入れ替わったときの生活をも楽しむようになっていく。
三葉の身体に入れ替わった都会育ちの瀧の目から見える美しい岐阜の自然や三葉の祖母が神主を勤める神社の伝統の神秘的な魅力、妹の四葉や祖母、高校の同級生たちとのほのぼのとした日々の生活や、都会の生活に憧れる三葉の目から見た、東京の近代的な街並み、そして瀧のアルバイト先や高校での人間関係は、
アニメーションとして美しいのはもちろん、自分もその場に立っているかのような臨場感を与え、見るものを引き込んでやまない。
しかしそんな入れ替わりの日々もふいに終わりを告げる。
どうして二人の身には入れ替わりが起こったのか、なぜふいにはじまった入れ替わりは二人の意志とは無関係に起こり続け、そしてふいに終わることになったのか。
入れ替わった君は一体何者だったのか、瀧の疑問はそのまま見ている私たちの疑問でもある。
家族も友達も学校も性格も生活もなにもかもよく知っていて、でも会ったことのない君。
入れ替わり続けた三葉を探して瀧は、東京からバイト先の先輩と友人と共に、岐阜県飛騨地方の三葉の町へと旅に出る。
高校時代は短く、部活に勉強にバイトに恋愛、なんでもできるように見えて、実はなんでもできるわけではない。そんなあまりに短い青春を必死に駆け抜けてゆく、三葉と瀧の姿が眩しい。
君の名はの魅力
この作品の魅力は既に語りつくされている。
新海誠監督によるあまりに美しい風景描写。東京では、新宿警察署裏の交差点や国立新美術館、瀧のバイト先の設定になっているカフェ、そして感動的なラストを飾る須賀神社。
岐阜では、JR高山本線の飛騨古川駅、飛騨市図書館や気多若宮神社。作画の精巧さから、モデルとなった聖地を巡礼するファンも社会現象となった。
キャラクターの造形も、単なる都会っ子と地方出身の女子高生、というだけではない。
母を亡くし、父との間に桎梏を抱える三葉と、父と二人暮らしの瀧には、どこかで少し陰があり、どこかで少し鋭く、それでいてどこかで少し情が深い。
そういった二人が抱える影よりも着目したい点は、二人とも将来に悩み友達と笑う等身大の高校生として描かれているということだ。
影があってもなのか影があるからこそなのか、それはわからない。しかし、それだからこそ二人が諦めずに前を向く姿に、心を動かされずにはいられないのだろう。
そして見ているものを飽きさせないストーリー進行にも注目したい。
三葉と瀧という女子と男子が入れ替わることによるドタバタはテンポよく描かれ、思わずにやにやと笑わずにはいられない。
「君の名は」は間違いなく感動作
「君の名は」は間違いなく感動作である。
涙なしには見られない傑作である。しかしただの感動ストーリーに終始するのではなく、そこには小気味のよいユーモアが込められている。
そしていよいよクライマックスに入ったときには、一秒たりともスクリーンから目が離せなくなっている。
私たちは三葉になって、また瀧になって、「君」を探し求める。必死に探す二人を、残酷なまでに美しい世界が包んでいる。
アニメーションの世界であることを頭で理解していたとしても、そう錯覚せずにはいられない。そして、バックには優しい挿入歌が流れ始める。
なんだったかはわからない、しかし確かにきらきらと輝いていたもの。
どうしてかはわからない、でも強く自分の心を引きつけていたもの。
三葉と瀧はそのなにかを探すことになる。スクリーンの前に座っている側はその「なにか」に、青春の二文字を見るのかもしれない。
『君の名は』をフル動画でみるには？
映画・ドラマ・アニメのオンラインレンタルのU-NEXT
なら、CMも編集もなく「君の名は」をフルで見ることができる。
U-NEXTでは、「君の名は」のような邦画に限らず、洋画、国内外のドラマ、アニメ、ドキュメンタリー、バラエティ番組など、人気のコンテンツが世代を問わず幅広く取りそろえられている。映像だけに限らず、文字媒体として雑誌や漫画も閲覧可能だ。登録に際しては、体験キャンペーンも随時開催されている。
U-NEXTに登録して、外出なしで名作をゆっくり自宅鑑賞、この暑い夏にはそんな過ごし方がぴったりではないだろうか。
